性自認とは、自分の性別をどう認識しているか、という事だ。
まず最初に、自分の性自認について書いておく。
自分は「体は男、心は男寄りのXジェンダー」という認識でいる。
(Xジェンダーとは、男女のいずれにも当てはまらないという性自認)
ただ基本的には、男と言っていいだろう。
自分語り(そうなった経緯)
最初に違和感があったのは、幼稚園か小学校低学年のころ。
「生まれ変わったら男か女か」という質問に迷わず「女」と答えていた記憶がある。
理由は「どうせなら別の性別になりたい」というのが表向きだったが、本当は「女になりたい」というのを隠すための理由だったはずだ。
なぜ女になりたいと思っていたかというと、今から見ると2つの理由がある。
一つにはジェンダー、性役割的理由。生物的には普通に男だが「小柄」「力が弱い」「色が白い」「気弱」「真面目」等々、男子としては不利だが女子としては有利な特徴を多く持っていた。そのため「女子だったら苦しむどころか褒められたのに」と考えた。
社会の許容性が高ければ解決された問題かもしれない。
そして女子は、男子の特徴を持っていても許容しよう、という社会になっている事への不満を持った原点でもある。不公平に感じたのだ。
もう一つは、単純に他の男子と合わなかったからだ。直上では「性役割的理由」とした「気弱」「真面目」などの側面は、男子同士で遊ぶうえで弊害になった。女子なら比較的問題なかったはずだ。
(他の点もいじめなどの原因にはなったが、それは避けようのない受動的な弊害だった。自身の心が原因で参加しづらいのは、能動的な弊害といえた)
ただし、自分は(トランスジェンダーによく見られるように)女子と遊ぶ、までには至らなかった。理由はいろいろあるが、一つには結局、女子でもなかった。
好きな遊びはゲームやプラモデルなど、普通に男子が好む系統。科学関係への興味も強く、これは当時は気付かなかったが、男子の趣向だろう。
そしてこれらの願望や疑問等は、成人しても解決される事はなかったが、言葉と概念を知る事で少しずつ解決していった。
中学〜高校の頃、トランスジェンダーという言葉を知った。自分はそれではないか?と真剣に考え、性転換手術も考えてみたが、違和感が上回った。
真剣に考えれば逆に、自身が男である部分もたくさんある、という事に気付いたのだ。性指向がヘテロ(異性愛)である事も重要ではあるが、それ以外の趣味や考え方でも発見は多かった。
20代も半ばの頃、Xジェンダーという言葉を知った。迷いはなかった、まさに自分はこれだと確信した。
一つの言葉、概念を知っただけで20年来の人生の謎が解けたのである。
LGBTなどと称され、性的少数者の権利が大っぴらに議論されるようになったのは、ここから更に数年後である。